株式会社JERAの子会社である株式会社JERA Cross(以下、「JERA Cross」)は、このたび、再生可能エネルギー電源の運用管理を効率化し、24/7カーボンフリー電力※の安定供給を支える「発電設備異常検知・最適管理技術」に関する特許(特許番号:7739651)を取得しましたので、お知らせします。気候変動対策の一環として、再生可能エネルギーの導入が急速に進む中、太陽光や風力といった電源は天候や時間帯により発電量が大きく変動します。このため、安定的な電力供給を実現するには、発電設備の状態を正確に把握し、異常を早期に検知・対応することが不可欠です。しかし、再生可能エネルギー発電設備は小規模かつ分散しており、従来の管理手法では膨大な設備の監視・調査に多大なコストと時間を要していました。このたび取得した本特許は、発電設備ごとの実測データと気象データを活用し、AIを用いて発電設備の異常の原因と調査の必要性を自動判定する情報処理システムに関するものです。本システムでは、気象データに基づく物理モデルおよび機械学習モデルにより発電量を予測し、実測値との乖離を定量的に評価します。実測値との乖離が基準値を超えた場合には、対象の発電設備を自動的に異常候補として抽出し、AIが原因の推定と調査する優先度の判定を行います。さらに、過去の調査履歴などを参照することで現地調査の必要性を的確に判断し、調査負荷の軽減と迅速な対応につなげることが可能となります。加えて、AIが参照したデータと実際の計測データを照合し、AIの回答の信頼度を評価する機能を備えることで、分析結果の透明性と信頼性を確保します。本特許により、膨大な発電設備から異常の可能性がある設備を迅速に特定し、調査優先度を自動判定することで、運用管理の効率化とコスト削減を実現します。さらに効率化を実現することにより、再生可能エネルギー発電設備の稼働率を向上させ、メンテナンスの効率化を図ることができます。24/7カーボンフリー電力供給を実現するため、電力供給の安定性を強化でき、AIを活用して調査や判断の高度化を進め、人的負荷の軽減を目指します。JERA Crossは、今後、本特許を風力発電への応用、発電レポートの提供など、効率化を実現するソリューションとして広く提供していくとともに、持続可能な地球環境と社会の実現に向けて、世界のエネルギー問題に最先端のソリューションを提供してまいります。 ■発明者コメントJERA Cross 需給管理AIエンジニア 下平 旬範「本特許を取得でき、大変嬉しく思います。本特許の活用によって、再生可能エネルギー発電設備での経験が浅い担当者でも異常分析を担える仕組みが整い、膨大な拠点を短いサイクルで効率的に監視することが可能になります。また、過去の調査履歴を活かすことで、現場に即した実践的かつ迅速な判断ができ、設備管理の高度化と人的負荷の軽減にもつながります。こうした取り組みを通じて、再生可能エネルギーの利活用を高め、GX社会の実現に貢献してまいります。」 JERA Cross CTO 大杉 慎平「本特許は、再生可能エネルギーが今後さらに拡大していく中で、安定供給実現のために必要となる膨大な数の再生可能エネルギー分散電源の管理を、高品質かつ全自動で実施することを可能にします。再生可能エネルギーの発電監視と異常検知は、完全にルールベース化するには難しく、一方で人手ではとても対応できない量のパターン問題があり、生成AIと非常に相性の良い応用例と考えています。JERA Crossとしては、このような技術開発も含め、24時間365日カーボンフリーな電力供給を支える基盤を強化し、脱炭素社会の実現に貢献していきます。」 ※ 「24/7(twenty - four seven)カーボンフリー電力」は、毎日24時間・毎週7日間、すなわち年間365日にわたってCO2を排出しない電力の名称。経済産業省の「電力の小売営業に関する指針」に従い、需要電力量の100%について、CO2ゼロエミッション電源(再生可能エネルギー発電設備および水素発電設備等を意味します)を電源構成とし、および非化石証書の使用による環境価値をともに供給することを意味しており、燃料の製造・輸送等のライフサイクルを含めてCO2が排出されないことを意味するものではない