2026/5/26
プレスリリース
株式会社JERAの子会社である株式会社JERA Cross(以下、「JERA Cross」)は、2026年4月に、Google Cloud のデータセンターに対し、JERA Crossが提供する太陽光発電に由来する非化石証書および発電・需要データを活用し、EnergyTag※1が提唱するGranular Certificate Scheme Standard※2に基づき、時間単位での再生可能エネルギーの利用を証明するGranular Certificate(時間単位証書)を生成する実証を実施しましたので、お知らせいたします。

温室効果ガス(GHG)プロトコルのScope2ガイダンス改訂案※3においては、電力の環境価値に関し、時間単位での一致(Hourly Matching)や供給可能性(Deliverability)等の概念の導入が検討されており、将来的により精緻なトラッキングに基づく再生可能エネルギー利用の証明が求められる可能性が指摘されています。このような要請に対応する手法の一つとして、EnergyTagが提唱するGranular Certificate(時間単位証書)の枠組みが国際的に検討・実証されており、現在各国で取り組みが進められています。本実証は、日本における基盤整備の一環として実施したものです※4。
Granular Certificate Scheme Standardでは、発電された電力の環境価値を、発電時刻・発電場所・電源種別等の属性とともに1時間単位でトラッキングし、需要側の消費電力と時間的・地理的に対応付けることが求められています。また、Granular Energy※5およびFlexidao※6は、EnergyTagのGranular Certificate Schemeの下で認定された組織であり、いずれも時間単位のエネルギートラッキングにおける完全性・正確性・透明性に関する当該基準を満たしています。
本実証では、上記に基づき、JERA Crossが提供する太陽光発電所の非化石証書、時間ごとの発電量および需要量データを用いて、Granular EnergyおよびFlexidaoがHourly Matchingを実施し、需要と発電の対応関係を時間単位で可視化したGranular Certificateを生成しました。これにより、需要家の電力使用と再エネ由来電力の時間的整合性を検証することが可能となります。
なお、本取り組みは、非化石証書制度とは別に、EnergyTag Standard※7に基づくトラッキング手法を用いて時間単位での対応関係を示すものであり、現行の非化石証書制度における証書の性質や制度そのものを変更するものではありません。
JERA Crossは、このたびのGoogle Cloud のデータセンターへの環境価値の提供などを通じて、今後も再生可能エネルギーの活用を進め、カーボンニュートラルと持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。
※1 独立非営利団体Energy Tagは、再生可能エネルギーの利用を最適化し、透明性の高いエネルギーマーケットを形成するためのGranular Certificateの国際標準を策定する国際非営利組織。
※2 再生可能エネルギーなどの電力の環境価値を、1時間単位の粒度で証明・管理するための国際的な標準仕様書。https://energytag.org/wp-content/uploads/2024/12/EnergyTag_Granular-Certificate-Scheme-Standard-V2.pdf
※3 GHGプロトコルは現在、Scope 2ガイダンスの改訂を進めており、ドラフト案では、電力の環境価値に関する主張について、時間単位でのマッチング(Hourly Matching)や供給可能性(Deliverability)の要件導入が提案されている。
https://ghgprotocol.org/blog/upcoming-scope-2-public-consultation-hourly-matching-and-deliverability
※4 日本の基盤整備に関する詳細は東京大学大学院 工学研究科 田中謙司研究室が2026年5月19日に公表したレポートペーパー「Hourly matching・時間単位証書の社会実装に向けたショートペーパー」に記載されている。
https://www.ioe.t.u-tokyo.ac.jp/news/hm-short-paper/
※5 Granular Energy社は、独立した非営利の標準化団体Energy Tagの創設者であるToby Ferenczi博士が2021年に共同創業者として立ち上げた、フランスのスタートアップ企業。同社は、24/7 カーボンフリー電力(※8)の先行事例を含む、エネルギーの透明性を高めるソリューションを提供するリーディングカンパニーである。
※6 Flexidao社は、組織がクリーン電力ポートフォリオを効率的に管理できるデータとツールを提供。これにより、リスクの特定と軽減、報告業務の効率化、脱炭素化の効果向上が可能。Flexidaoは、ヨーロッパ、米国、ラテンアメリカ、APAC地域の電力計測データや証書データにアクセスでき、これらのデータを標準化したプラットフォームに統合。企業は、このプラットフォームを使用して、PPA(電力購入契約)のモニタリング、保証、ポートフォリオ管理、EAC(エネルギー属性証明書)の管理を一括で行うことができる。
※7 独立非営利団体Energy Tagが推進する24/7カーボンフリー電力の国際標準。電力消費が時間単位で再生可能エネルギーなどのグリーンエネルギー供給と一致していること(hourly matching)を認証する枠組みを提供することで、電力システムの脱炭素化への移行を支援している。
※8 「24/7(twenty-four seven)カーボンフリー電力」は、毎日24時間・毎週7日間、すなわち年間365日にわたってCO2を排出しない電力の名称。経済産業省の「電力の小売営業に関する指針」に従い、需要電力量の100%について、CO2ゼロエミッション電源(再生可能エネルギー発電設備および水素発電設備を意味します)を電源構成とし、および非化石証書の使用による環境価値をともに供給することを意味しており、燃料の製造・輸送等のライフサイクルを含めてCO2が排出されないことを意味するものではない。
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