TOPkeyboard_arrow_rightJERA Cross Mediakeyboard_arrow_right

GHGプロトコル改定とは?2028年最終改定版公表に向けた算定基準の厳格化と企業への影響

GHGプロトコル改定とは?2028年最終改定版公表に向けた算定基準の厳格化と企業への影響

2026/8/5

記事

はじめに

GHG(温室効果ガス)プロトコルが約20年ぶりの大幅改定を迎えています。WRI・WBCSDが主導するこの国際基準は、SBTi、CDP、RE100、IFRS Sなど脱炭素に関わるほぼすべての国際枠組みの根拠となっており、その改定は日本企業の算定実務・再エネ調達戦略に直結します。2026年7月には、Scope 2単独の改定ではなくISOとの統合標準として開発することが公式発表され、公表は2028年Q4に後ろ倒しされました。特にScope 2では、エネルギーおよび証書を1時間単位で実際の需要とマッチングする「アワリーマッチング」の導入が議論され、現在主流の非化石証書を使った脱炭素アプローチが根本から問い直される可能性があります。最終基準の公表は2028年4Q予定ですが、 改定のポイントと、今後想定される日本企業への影響を解説します 。※この記事は2026年7月29日に公表された情報を元に加筆しています。

阿須間 麗

株式会社JERA Cross テクノロジー本部 顧客支援システム部 部長

コンサルティング会社/事業会社にて複数のDXプロジェクトに従事後、Tech系スタートアップで新規事業・プロダクト開発を主導。現在はJERA Crossにて、GX領域でのデジタルソリューション開発を推進中。

GHGプロトコル改定が今、なぜ重要なのか

GHG(温室効果ガス)プロトコルは、企業が温室効果ガス排出量を算定・報告する際の事実上のグローバルスタンダードです。WRI(世界資源研究所)とWBCSD(持続可能な発展のための世界経済人会議)が主導して策定したこの国際基準は、2001年の初版発行以来、脱炭素に関わるほぼすべての国際枠組みの根拠として使われてきました。

参照されている主な枠組み:

  •  SBTi(科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ)

  •  CDP、RE100、GRI

  •   IFRS Sサステナビリティ開示基準

  •   欧州CSRD/ESRS

 その基準が今、約20年ぶりの大幅な改定作業を迎えています。日本企業にとっても、この改定は対岸の火事ではありません。有価証券報告書のGHG排出量開示においてGHGプロトコルに基づく算定が求められる中、今回の改定によって、現在主流となっている再エネ調達戦略を見直す必要が生じてきます。

Scope 2のルール見直し案が公表。より厳格な算定への転換が議論に

2025年に公開されたGHGプロトコル改定案では、特にScope 2(購入した電力・熱などに伴う排出量)の算定ルールを見直す方向性が示されています。

改定案では、再エネ調達に関する環境価値証書の扱いや、電力の需給実態をより反映した算定方法などが論点となっており、現行ルールよりも厳格な算定が求められる可能性があります。

現時点では最終決定前のドラフト段階ですが、多くの企業に影響する改定内容として注目されています。主な変更点については、本記事後半の「Scope 2改定:アワリーマッチング、供給可能性、標準供給(SSS)」で詳しく解説します。

改定プロセスの体制と今後のスケジュール

GHGプロトコルの改定は、運営委員会(SC)、独立基準審議会(ISB)、専門作業部会(TWG)という三層構造で進められています。TWGは4つのグループに分かれており、それぞれの議論を担っています。

  • コーポレート基準(Scope 1・2全般):株式会社ゼロボードよりメンバーが参画

  • Scope 2(電力):自然エネルギー財団よりメンバーが参画

  • Scope 3(バリューチェーン全体)

  • AMI(Actions and Market Instruments:市場手段と削減行動の扱い):日本鉄鋼連盟よりメンバーが参画

今後のスケジュール

  1. 2025年10月〜2026年1月:Scope 2に関するパブリック・コンサルテーション(意見公募)実施

  2. 2026年7月29日:GHGプロトコルが標準開発スケジュールの更新を発表。ISOとの標準統合に向けた新たなロードマップを公表

  3. 2027年Q2(予定):統合版企業向け標準(Consolidated Joint Corporate Standard)のドラフトに対するパブリック・コンサルテーション実施。同時期にAMI Standardドラフトのパブリック・コンサルテーションも実施予定

  4. 2028年Q4(予定):統合版企業向け標準(Consolidated Joint Corporate Standard)の公表予定(発効・段階適用の時期は今後公表)

改定確定まで2年以上の猶予がありますが、対応事項のリードタイムが長いものも多いため、企業は今から改定内容と対応事項について理解し、準備を進めることが求められます。

What's new — 7月29日に、主に3つのことが動いた

GHGプロトコルは2026年7月29日、Scope 2改定を含む基準開発について、まとまった更新を公表しました。要点は3つです。

① 「Scope 2単独の改定」から「GHGプロトコル・ISO統合の企業標準」へ。 Corporate Standard/Scope 2/Scope 3/AMIと、ISO 14064-1が、単一の共同ブランド企業標準(便宜上 "Corporate Standard V3.0" と呼ばれているが、正式名称はISOとの調整を経て決定予定)へ統合されることが決まりました。

② 最終公表は2028年Q4に。 統合版の公開コンサルテーションは2027年Q2、公表は2028年Q4とするタイムラインが、GHGプロトコルとISO双方のガバナンス機関で承認されました。従来「2027年に最終公表」と見られていたスケジュールは、事実上後ろ倒しが確定した形です。なお、公表後の発効・段階適用の時期は今回も明示されていません。

③ Scope 2は「複数の報告アプローチを検討」段階へ。 第1回パブリックコンサルテーションの結果が同時に公表され、GHGプロトコルは単一案に固執せず複数のアプローチを検討する、としています。

つまり、確定にはまだ距離がありますが、論点と各国の立場は見えてきたという状況です。

パブコンの全体像 — 「精度向上」には賛成、「やり方」で意見が割れた

第1回パブリックコンサルテーションは2025年10月20日〜2026年1月31日に実施され、56カ国から1,072の回答がありました。回答者の内訳は、企業・業界団体・コンサルティングで約6割。地域別では欧州35.7%、北米34.1%、東アジア17.4%です。

論点別の賛否を並べて、傾向を見てみましょう。改定案は「厳格化」と「実行を支える緩和措置」の2種類に分かれるため、それぞれ反対率・支持率で見ていきます。

表1:厳格化の3論点 — 反対率で見る

論点

世界:反対

日本:反対

① 時間単位マッチング(Hourly Matching)

70%

74%

② デリバラビリティ(Deliverability)

59%

79%

③ 標準供給(SSS)の扱い

30%

72%

表2:実行を支える緩和措置 — 支持率で見る

論点

世界:支持

日本:支持

④ 小規模事業者の免除閾値

76%

73%

⑤ レガシー条項(既存契約の保護)

90%

95%

※GHGプロトコル公式Raw Dataの5段階評価を集計(賛成=4-5/反対=1-2)。中立・無回答を含むため、反対率と支持率の合計は100%になりません。

厳格化(時間・地理・SSS)には反対が多く、実行を支える緩和措置は広く支持されました。免除閾値やレガシー条項が7〜9割の支持を集めた一方で、Hourly MatchingとDeliverabilityには過半の反対が集まりました。

「精度を上げること」自体に反対する声はほとんどありません。意見が割れたのは、その手段です。

なぜ意見が割れたのか — 2つの「theory of change」

賛否が分かれた背景には、「Scope 2会計は何のためにあるのか」という思想の対立があります。GHGプロトコル自身も、フィードバックを2つの変革理論(theory of change)として整理しています。

理論1:不足している時間と場所に、資本を向けるべき。 再エネが足りない夜間・冬季や、系統がクリーンでない地域にこそ投資が必要だ。だから証書は時間と場所を厳格に一致させ、追加性のある調達を評価すべきだ——という立場です。時間単位マッチング・デリバラビリティ・SSS厳格化を支持します。

理論2:制約を最小にし、世界の再エネ市場に資本を流すべき。 要件を厳しくすれば参加できる企業が減り、市場に流れる資金の総量が減る。だから年間マッチングと広い市場境界を維持し、より多くの企業が再エネ調達に参加できる状態を保つべきだ——という立場です。

同じ「脱炭素に効かせたい」という動機から出発しながら、その対応方針が正反対になる。ここが今回の議論の本質です。GHGプロトコルが「複数の報告アプローチを検討」に踏み込んだことは、単一案では十分なコンセンサスが得られなかったことを示唆しています。

日本 vs 世界 — SSSだけが異なる傾向を見せた

日本からの回答は80件で世界3位であり、パブコンにおいて大きな存在感を示しました。そして日本の意見には、世界と異なる点があります。

Hourly MatchingとDeliverabilityは、日本でも世界でも、反対意見が優勢となりました。Hourly Matchingでは、日本と世界は同様の傾向(約7割が反対)を示しています。一方Deliverabilityは、日本ではより反対意見が優位であり、反対79%と、世界59%を上回ります。日本でエリア単位の市場境界が設定された場合の影響が意識されているとみられます。

SSSは、世界と逆の反応となりました。 世界では賛成49%・反対30%とやや賛成寄りだった一方、日本は72%が反対。ここだけ評価が反転しています。

ただし、この「反対」の中身は正確に理解する必要があります。公開されている日本からの提出意見を見ると、日本の反対の中心は、FITをSSSとして扱うことへの異議でした。FIT非化石証書は追加費用を払って市場で購入する必要があり、その収入は再エネ賦課金の抑制に充てられている。つまりFITは全額が公的負担ではなく、一律にSSSとみなして按分上限をかけるのは実態に合わない——という論拠です。

ただし、国内の立場は一枚岩ではありません。経産省および他複数の団体・事業者は、FIT本体のSSS該当を前提に、FIPと高度化法の除外を求めています。 論点は「FITはSSSか」と「FIP・高度化法はSSSか」の二層に分かれている状況です。

Scope 2改定:アワリーマッチング、供給可能性、標準供給(SSS)

前章で紹介したとおり、GHGプロトコルの改定案ではScope 2の算定ルールが大きく見直される方向性が示されています。ここでは、企業への影響が特に大きい3つの論点である「アワリーマッチング」「供給可能性」「標準供給(SSS)」について詳しく見ていきます。ただし、2026年7月29日に公表された情報でもこれらの改定内容は未確定です。

アワリーマッチングとは何か

現行の非化石証書を活用したScope 2算定では、企業は年間の電力消費量に相当する分の再エネ証書を調達すれば、脱炭素を主張できます。つまり、昼間の太陽光発電に由来する証書を購入しても、実際には夜間の電力消費に割り当てることができていました。

改定案が提示するアワリーマッチングは、 電力の発電時刻と企業の電力消費時刻を1時間単位で一致させるという考え方です。これによって、電力の物理的な流れと企業の報告の整合性を高め、「実態を伴わない脱炭素の主張」を排除することを目的としています。

具体的には以下の変更が想定されています

  • ロケーション基準:1時間単位の系統排出係数を使用

  • マーケット基準:消費した電力と同じ時間帯に発行されたエネルギー属性証書(EAC)が必要

なお、SBTiの最新改定案では、年間電力消費量が10GWh以上の大規模需要家に対してアワリーマッチングの段階的導入を義務付ける案が示されており、影響力の大きい企業から先行して対応が求められる見通しです(これはGHGプロトコルとは別軸のSBTi独自の検討であり、GHGプロトコルは2026年7月の発表において、今回の標準統合を受けたSBTi側の方針変更は現時点で無いとしています)。

アワリーマッチングについてはこちらの記事もご覧ください。アワリーマッチングとは?GHGプロトコル改定で変わる企業の再エネ調達と対応策

Hourly Matchingの資料ダウンロード(無料)はこちら

なお、これらの論点は2026年7月に公表された第1回パブリックコンサルテーションの結果、必ずしも支持一辺倒ではないことが分かっています。世界の回答者ではアワリーマッチングに70%、供給可能性に59%が反対し、日本の回答者ではそれぞれ74%、79%が反対しています。GHGプロトコルはこれを受け、単一案に固執せず複数の報告アプローチを検討する段階に入っており、これらの内容は「確定した改定内容」ではなく「現在検討されている方向性」としてお読みください。

供給可能性(Deliverability)の要件

供給可能性とは、企業が「エネルギーを使った」と報告する際、その電力が実際に物理的に供給可能な地域で発電されたものであることを証明するという要件です。

改定案では、これを市場バウンダリ(日本であればJEPXの入札エリアに相当する10エリアが基準になる可能性がある)や物理的な送電可能性で制限する方向が示されています。この論点については、経済産業省や三菱総合研究所からパブリック・コンサルテーションにて意見を提出し、日本のエネルギー政策や電力市場の実態を踏まえた制度設計の重要性を指摘しました。

日本の非化石証書・FIT制度への影響

この改定案で特に日本企業に影響が大きいのが、FIT(固定価格買取制度)由来の電力に紐づく非化石証書の扱いです。改定案では「標準供給サービス(Standard Supply Service, SSS)」という概念が導入されており、政府制度や規制によって提供され、企業が自らの意思で選択・追加的に調達したとはみなされない電力が該当するとされています。改定案の中では、このSSSの具体例として日本のFIT(feed-in tariff)制度が挙げられています。

ただし、第1回パブリックコンサルテーションの結果では、世界全体では賛成49%・反対30%とやや賛成寄りだったのに対し、日本では72%が反対と評価が逆転しています。日本からの提出意見を見ると、争点は①FITはSSSか、②FIPや高度化法までSSSに含めるべきかどうか、の2点に集中しています。経済産業省もFIP・高度化法は非SSSであるとの立場を提出しており、今後は「SSSの線引きをどこに引くか」が主な論点となる見通しです。

現行の日本の再エネ調達戦略の多くが非化石証書に依存していることを考えると、この論点の帰結によっては、多くの企業において調達方法の見直しが必要となる可能性があります。

Scope 3改定の方向性:カバレッジ強化と新たな開示枠組みの検討

Scope 2と並行して、Scope 3(バリューチェーン全体の排出)の改定も進んでいます。2026年4月、GHGプロトコルはScope 3 TWGがフェーズ1で検討した内容をまとめた暫定報告書を公表しました。

算定範囲の拡大(カバレッジ要件の強化)

現行では、重要性が低い排出源についてはScope 3算定から除外することが認められています。一方、改定に向けた議論では、排出量の95%以上をカバーすることを求める方向性(いわゆる「95%カバレッジ」)が検討されています。これが導入された場合、これまで対象外としていた小規模サプライヤーや中間工程についても、データ収集・算定が必要になる可能性があります。

新たな開示区分(カテゴリー16相当)の検討

Scope 3は現在15カテゴリーで構成されていますが、これとは別に、企業の削減貢献を扱う新たな開示区分(いわゆるカテゴリー16)の検討か進められています。これは、企業が自社インベントリには反映されない形で行う脱炭素貢献(再エネ開発への投資、途上国での省エネ支援など)を、補足的に別途報告できる仕組みの整備を意図したものです。

データ品質の「見える化」

改定では、排出量データの透明性向上も重要な論点となっています。

  • 一次データと推計データを区別して開示する仕組みの導入

  •  第三者検証の状況(検証済み・一部検証・未検証)の開示

AMI(Actions and Market Instruments):削減貢献を可視化する新たな枠組み

GHGプロトコル改定では、AMI(Actions and Market Instruments)と呼ばれる新たな基準の導入が検討されています。これは、従来の「排出インベントリ(Scope1・2・3)」とは別に、企業の脱炭素行動を補完的に報告するための枠組みです。

企業が再エネ開発プロジェクトへの投資、カーボンクレジットの購入、削減技術の提供といった取組みを行っても、現行基準ではこれらが自社のScope 1・2・3排出量に直接反映されないケースが多くあります。AMIは、こうした「バリューチェーン外での脱炭素行動」を可視化するための新たなレポート構造(マルチステートメント型GHG報告)を検討しています。

2026年7月に公表されたRequest for Informationへの予備的フィードバックでは、次の3つのステートメントに分けて報告する構造への支持が強いことが分かりました。

  • 物理排出ステートメント:自社およびバリューチェーン全体の物理的なGHG排出量

  • マーケットベース排出ステートメント:証書・市場商品・削減関連契約などを反映した排出量

  • GHG影響ステートメント:行動・投資による気候影響(consequential手法)

暫定的な実務指針として、統合標準の最終化前でも、この3区分を相互にネッティングせず分けて透明に報告することが推奨されています。パブリック・コンサルテーションはScope 2等と同じ2027年Q2に実施され、最終化は統合標準全体と同じ2028年Q4が見込まれています。

需要家は今何をすべきか

最終公表は2028年Q4。まだ2年以上ありますが、各対応事項のリードタイムが長いため、制度確定前から着手しておくことをお勧めします。

① 契約と証書の棚卸し。 自社の電力調達をFIT/FIP/非FIT、および証書の種類・時刻情報の有無で整理する。また、レガシー条項が9割の支持を得ていることからも、「いつ締結した契約か」が今後意味を持つ可能性があります。

② 時間別データ基盤の整備。 30分値・時間別の消費データを、拠点単位で継続的に取得・蓄積できる状態をつくる。どの報告アプローチが採用されても、これが土台になります。

③ 調達ポートフォリオの再設計。 年間マッチング前提の調達を、時間別・エリア別の視点で見直し、不足時間帯を把握する。

④ 社内・開示体制の準備。 SBTiやSSBJなど周辺フレームワークとの整合を含め、動向を継続的にウォッチできる体制をつくる。

アワリーマッチングに対応する「時間単位の電力調達」——JERA Crossのサービス

GHGプロトコル改定の中核テーマであるアワリーマッチングへの対応として、電力調達およびGHG排出量算定・報告の方法を変える必要があります。その解の一つとして注目されているのが、アワリーマッチング対応型のカーボンフリー電力供給サービスです。

JERA Crossが提供する「24/7カーボンフリー電力」は、企業の電力消費パターンを1時間単位で分析し、その消費時間帯に実際に発電された再エネ等のカーボンフリー電力と証書をマッチングさせることができます。

JERA Crossの「24/7カーボンフリー電力」の詳細はこちら

24/7CFEイメージ解説

なぜアワリーマッチングが必要なのか

従来の年間ベースの証書調達では、太陽光発電の出力が集中する昼間に発行された証書を、夜間の電力消費に充てることができていました。しかし、この方法では「実際にカーボンフリーの電気を使っている時間帯」と「証書が示す発電時間帯」がずれており、電力系統の脱炭素化に実質的に貢献していないという批判が世界的に高まっています。

GHGプロトコル改定後の新基準において、マーケット基準でゼロ排出を主張するには、消費時刻に対応した証書(時刻情報付きEAC)が必要となる見通しです。

Hourly Matchingの資料ダウンロード(無料)はこちら

JERA Crossのアワリーマッチングサービスの特長

1. 消費実態に連動した時間単位のカーボンフリー電力供給

企業の30分または1時間単位の電力消費データを基に、調達力を活かし、同じ時間帯に発電されたカーボンフリー電力および証書を調達・マッチングします。PPA追加締結、蓄電池導入検討、デマンドレスポンスとの組み合わせまで、包括的な脱炭素ロードマップを策定、実行を支援します。

2. JERAの開発力を活かした次世代電源開発

再エネ(太陽光 等)の出力変動を補う水素や蓄電池等の次世代電源の新規開発を行うことで、時間帯・地域ごとに安定した電源供給を実現します。太陽光が発電しない夜間・雨天時でも、地熱・洋上風力・バイオマス等の安定電源から電力・証書を供給できる体制を整えています。

3. 国際標準に準拠したアワリーマッチングのプラットフォーム活用

アワリーマッチングの国際標準であるEnergyTag Standardから認定を受けたプラットフォーム(Granular Energy Platform)を用いて、マッチングレポートの発行が可能です。これによって、GHGプロトコル改定後に求められる「同時性(Simultaneity)」要件に対応した報告が可能になります。

GHGプロトコル改定が企業の脱炭素戦略に与える影響のまとめ

論点

現行基準

改定案の方向性

企業への主な影響

Scope 2 ロケーション基準

年間平均排出係数を使用

1時間単位の系統排出係数の使用を検討(第1回コンサルでは反対意見も多く、複数アプローチが併存する可能性)

より精緻な時間別排出量の把握・データ管理が必要

Scope 2 マーケット基準 (アワリーマッチング)

年間ベースの証書調達が可能

消費時刻と同一時間帯での証書調達の要件を検討(第1回コンサルでは反対意見も多く、複数アプローチが併存する可能性)

時間単位の電力使用量把握と、時刻情報付きEAC調達体制の整備が必要

供給可能性 (Deliverability)

地域制限は限定的

同一電力市場エリア内等、物理的に供給可能な電源の使用が重視される方向(第1回コンサルでは反対意見も多く、複数アプローチが併存する可能性)

域外証書の利用が制限される可能性、調達戦略の見直し

FIT非化石証書

幅広く使用可能

標準供給サービスに分類され、標準的なScope 2対策としての位置づけが変わる可能性

主要な調達手段の見直しリスク、代替手段の検討が必要

Scope 3算定範囲

重要性が低い排出源は除外可能

排出量の95%以上をカバーする方向性(カバレッジ強化)が検討

サプライヤー・中間工程を含むデータ収集範囲の拡大、算定負荷の増加

AMI(削減貢献量)

自社インベントリ外の行動は基本的に報告対象外

物理排出/マーケットベース排出/GHG影響の3ステートメントに分けて報告する構造が具体化

バリューチェーン外の脱炭素貢献を可視化・対外発信できる可能性

まとめ:JERA Crossの視点

私たちは、脱炭素を「対応すべき義務」ではなく「競争力=価値に変えられるもの」として捉えています。今回のパブコン結果が示したのは、世界中の企業が同じ問いに向き合っているという事実です。精度は上げたい。でも、実行できなければ意味がない。 この両立をどう設計するかが、これからの2年の主題になります。

JERA Crossは、24/7 CFEと時間単位の証書トラッキングを通じて、この移行期に必要な「時間別に見える調達」の実装を進めています。ルールが固まってから慌てて動くのではなく、今から一段ずつ準備を進めるお手伝いができればと考えています。

今回公表されたのは「最終ルール」ではなく、「世界中のステークホルダーが何に賛成し、何に懸念を持っているか」を示す中間成果です。今後の公開コンサルテーションやISOとの共同開発を経て内容はさらに具体化されるため、引き続き動向を注視する必要があります。

JERA Crossの「24/7カーボンフリー電力」の詳細はこちら

Hourly Matchingの資料ダウンロード(無料)はこちら

参考:

GHG Protocol「Key Standard Development Updates: FAQ Resource」(2026年7月29日)

GHG Protocol「Consolidated Standard Development Plan(SDP)」(2026年7月29日)

GHG Protocol Public Consultations(第1回パブコンのSummary of Feedback/Raw Data)

2026年7月22日に開催した「最新!GHGプロトコル改訂解説」のウェビナー動画はこちら

【免責事項】

本稿に記載の数値・分析・状況は公開情報に基づくものです。

お問い合わせ

ブログ一覧に戻る

株式会社JERA Cross
〒103-0027 東京都中央区日本橋3丁目11-2 Hi-gs日本橋10階・11階

株式会社JERA Cross
〒103-0027 東京都中央区日本橋3丁目11-2 Hi-gs日本橋10階・11階

© JERA Cross Inc. All Rights Reserved.